2009年1月27日火曜日

両国 ほそ川



このお店は去年の新ソバが美味しい頃、フリーライターTさんの紹介で初めて訪れた。
お店は表通りには面しておらず、細い路地を入った所にある。我々も開店時刻の17時前にはお店に着いたのだが、早くも並ぶ人達がいた。開店時刻を迎えてもすぐに入れる訳ではない。客を全員一斉に店内へ入れるのではなく、一組づつ店員さんが案内して入って行く。
何を勿体つけているのかと思っていたが、いよいよ店内に入る段になり、ようやくその意味がわかった。店内は思ったよりも広く、席の数もそれなりにある。しかし、全ての席を客で埋めるのではなく、客同士の間隔を十分に置いている。そして、店内に入れた客が注文を終えたところで、頃合いを見計らって次の客を入れている。要は一組一組の客が全て、快適に蕎麦を食べる事ができる様にとの心配りなのだろう。
まずは湯葉刺し、蕎麦豆腐と、蕎麦味噌を戴いた。蕎麦味噌の味噌はほんのり甘く、蕎麦の風味とマッチする。蕎麦の実は粒がしっかりしているが、噛むとホクホクしている。一緒にいたRさんと私は思わず、蕎麦味噌の追加を頼んでしまった。続いて戴いたのはごぼうの天麩羅、穴子の煮こごり。天麩羅はごま油の香がほんのりと漂う。隣ではUさんとTさんが日本酒「神亀」をボトルで開けている。
そしていよいよ、お目当てのせいろの登場。味も香も歯ごたえもしっかりしていて、これぞ日本蕎麦という風格。私はおいしい蕎麦の場合にはそばつゆにはあまりつけず、蕎麦自体の風味を楽しむのが常。勿論、ここでもその様にして戴いた。
蕎麦を半分くらい食べた所でそば湯が出て来た。蕎麦猪口に注ぐとドロリとしている。後から知った事だが、このドロリとしているのはそば湯にそば粉を足しているからだそうだ。飲んでみると、強い蕎麦の香が鼻を突き抜ける。これぞ、日本蕎麦の醍醐味。
店の風格に相応して、お値段の方も決して安いとは言えないが、それに十分見合うだけの美味しさともてなしをしてくれるお店だ。

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